自動車の排気量での分類
軽自動車(現在の法令では660cc以下)
一般的な車種では最も小さいサイズ。エンジン排気量が小さいため、高速走行や長時間走行は辛いものの、取り回しが非常に楽で、政策的に自動車税などの諸税や保険料などの維持費が安くされているメリットがある。このことから、公共交通機関の便が悪い地方を中心に生活用に普及している。
もともとは室内空間が狭かったが、最近では広い室内を売りにしたモデルが売れ行きをのばしている。
中古車市場での人気が高いため、中古価格は上のクラスの小型車よりも高価である。
2005年頃からの石油価格の高騰で、軽自動車の売れ行きが伸び、日本での最量販クラスになりつつある。
1000ccクラス
小型車、あるいはコンパクトカー、リッターカーとも呼ばれる、軽自動車のすぐ上に属するクラス。ヨーロッパのAセグメントに相当。本体価格は軽自動車とほとんど同じ、大きさは軽自動車より一回り大きい程度であるが、燃費と取り回しに優れ、エンジン排気量が大きくなった分、高速走行も一応こなせる。ただ、一般に室内がそれほど広くなく、長時間走行は辛い上に、税金や保険料が軽自動車の4倍以上に跳ね上がるデメリットがある。
近年は小型車の品質が向上したため、中型車からこのクラスに乗り換える人が増えており(ダウンサイジング)、ホンダ・フィットやトヨタ・ヴィッツなどの各社の戦略車がしのぎを削る。
欧州での最量販クラス。
1500ccクラス
大衆車と呼ばれる、日本では中の下(北米ではサブコンパクトカー)のクラス。ヨーロッパのBセグメントに相当。小型車よりも居住性が改善され、エンジン排気量もさらに上がるため、高速走行や相応の長時間走行をこなせる性能を有する。
かつては一般的なファミリーカーとして君臨していた。
トヨタ・カローラや日産・ティーダ(旧・サニー)などに代表される各社の主軸車種がしのぎを削る主戦場。 しかし、女性を中心とする若いユーザーは小型車や軽自動車を選ぶ傾向があり、ファミリーカーとしての役目はこのクラスから2000ccのミニバンへ移っており、大衆車のユーザー層は高齢化しつつある。
2000ccクラス
日本では中の上(北米ではコンパクトカー)のクラス。ヨーロッパのCセグメントに相当。日本国内での使用を前提とすれば、日常の取り回しや使い勝手と、居住性、高速走行や長時間走行をこなせる性能をバランス良く有する。
日本でタクシー用に使われるサイズの主流。
大きさや性能などの全体的なバランスが取れていることから、市販車ベースのラリー競技用などのモータースポーツにも使われることが多い。
近年の日本では、ファミリーカーとしてこのクラスに属する中型ミニバンが高い人気を誇る。
北米での最量販クラス。
2500~3000ccクラス
日本では上の下(北米では中型車)のクラス。ヨーロッパのDセグメントからEセグメントに相当。豪華志向の車種が多い。車体が大きくなってくるため、取り回しは悪くなる。
日本では、個人で所有する一般的な乗用車の上限あたり。
3000cc以上
日本ではハイエンドに属するクラス。ヨーロッパのEセグメントからFセグメントに相当。最新技術や装備がふんだんに盛り込まれた豪華志向車や、高性能なスポーツカーなど。そのため燃費は良いとはいえず、税金、保険などを含めた維持費もかかる。
ほとんどは重役用車や、重役用ハイヤーのような社用車、芸能やスポーツ選手、企業家など特定業種の富裕層・成功者のステータスという位置づけが持つような車で、後部座席に座るような高級車や非常に走行性能、静粛性能の高い車種が多い。特にスポーツ選手は「体が資本」という考え方から、安全性に優れるとされる大型高級車に乗る人が多い。 メルセデス・ベンツやBMW、ポルシェなどに代表される高級車ブランド各社の主軸車種が、富裕層をターゲットにしのぎを削る主戦場。